IBS通信(タイトルが入ります)

2012年7月(第149号)

企業理念=技術と真心で『常に進化し「きれい」を追求する会社へ』
今年のテーマ=『共存共栄』自らの成長に責任を持つ=進化すること

目に見えないところまできれいにする・・・とは?

「アイ・ビー・エスの特徴って何ですか?」とお客様にたずねられたら、皆さんなら何とお答えしますか?
もしくは自分の家族や友人に「今勤めている会社はどんな会社ですか?」と聞かれたら、どうお答えしますか?
「お掃除会社」ですか?「清掃会社」「ビルメン(テナンス)会社」といったところでしょうか?
日本の全国各地には、約3万社あると言われている、お掃除会社、清掃会社、ビルメンテナンス会社の中で、わが社アイ・ビー・エスには、どんな特徴があるのでしょうか? 他社とはどんなところが違うのか、皆さんも考えたことはありますか?
今月号は、アイ・ビー・エスは「お掃除会社」ではないということ、「他社との違い」を意識すること、その特異性などについてお話ししたいと思います。
ちなみに、私はお客様に対して「お掃除会社」とあえて言わないようにしています。この社内報を読んだ翌日から、皆さんにも「お掃除会社」という言葉を使わなくなることを期待しております。
自分は何故お掃除会社といわないかというと、お掃除会社はどこにでもあるからです。もしどこにでもあるビルメンテナンス会社と自分自身が認めてしまうと、そこで働く皆さん自身のことも、どこにでもいるスタッフと認めていることになりかねないからです。私はアイ・ビー・エスという会社がどこにでもある、お掃除会社と思ったことはありませんし、ここで働く一人ひとりに対しても「どこにでもいるスタッフ」と思ったことも一度もありません。人には人それぞれ存在価値があるのと同時に、会社は会社にそれぞれ存在する価値があると信じているからです。
この想いは、会社の理念にももちろん込めております。
では「お掃除会社」ではない弊社の特徴とはいったい何でしょうか・・・?
社内報には、毎回必ず弊社の企業理念を掲げています。そこには想いも答えもあります。
皆さんは、この理念をみて不思議だと思ったことありませんか?キレイにするのが当たり前の、プロフェッショナルな会社なのに、なぜ理念に【・・・「きれい」を追求する】って書いてあるのか・・・いったいどういう意味?と疑問を持ったことありませんか。
私は「アイ・ビー・エスはどんな会社?」と聞かれると、どの人に対しても必ず伝える言葉があります。「目に見えないところまできれいにする会社です」と答えます。
そう答えると必ず「目に見えないところまで、とはどういう意味ですか」と逆質問されますが、次のようにこたえます。「掃除をする」ことと、「汚れをとる」ことは、似ているようで実は大きく違うのです。「掃除をする」という行為は、もしかしたら、自宅でも、学校でも、どこでも誰にでもできる行為かもしれませんが、「汚れをとる」という行為は、もしかしたら、誰にでもできるというものではないのではないかと思うので、我々が必要なのです。
例えば取引先の施設の、病院や介護施設のインフルエンザ菌などのウィルスという【汚れ】を除去すること、モノレールや車両などに潜んでいるかもしれないダニなど不快害虫、衛生害虫の【汚れ】を発生させないこと、昨年とある養鶏場から依頼のあった、鳥インフルエンザという感染性の【汚れ】を繁殖しないようにすること、昨年から社内で研究している放射性物質という有害な【汚れ】を除去すること、これらが我々の仕事です、と。
実はこれらの【汚れ】は、皆さんの目には見えないかもしれませんが、我々はきれいにできます。放射性物質などは、社内報でも特集したので理解しやすいと思いますが、α線、β線は粒子なので除去できますが、γ線はエックス線などレントゲン撮影時に使用している電磁波なので我々には除去できません。β線などの粒子は0.3〜1ミクロンの大きさなので、ウィルスよりもやや大きい粒子であり、ウィルスが移らないようなマスクなどで、内部被ばくはしないと言えます。このように見えない【汚れ】でも、認識すれば除去できますが、逆に認識しないと取れないものばかりです。
故に「掃除をする」だけではとれないのです。誰にでもできるようで、なかなかできないことではないかと思います。
放射性物質1つ例に挙げてもわかるように、目に見えない「汚れをとる」ことは専門的な知識と専門的な技術がないと「きれい」にはできないものです。
放射性物質など特殊な汚れに限らず、トイレの汚れにしろ、手あかにしろ、全ての汚れについて同じことが言えます。
専門的な知識と技術、つまり弊社の理念の一つである、「技術」と「真心」をもって仕事に臨むことこそが、さすが「プロ」の仕事とお客様からも認められ、社会からも必要とされる仕事になるわけです。そういった仕事を通じて、我々自身も自分たちの仕事に対して自信を持ち、誇りをもって取り組めるのではないでしょうか。
今弊社には「この汚れをとることが出来るのは、100社に1社しかない、1000社に1社しかない」という技術を持っています。その技術を駆使してお客様に商品を提供するためには、会社でなく、スタッフ全員が「掃除をする」という意識から「汚れをとる」という意識に変わらなければ、駆使できないものばかりです。
言葉でいうのは簡単なことですが、この「汚れをとる」ということが立派な技術であるということを認識し行動に移すこと、そして他社との違いを自ら明確化して、社外に、お客様にアピール出来るようになること、そのために職場でもどんなことができるか考えること、これら全てが、競存競栄から生まれる、共存共栄ではないかと思います。
目に見えないところまで「きれい」にすることは、実に奥深いことであり、この奥深さを感じるときこそが、自分の仕事に対して誇りが生まれる瞬間だと思います。
ただ【目に見えない「汚れをとる」】【目に見えないところまで「きれい」にする】行為は、残念ながら「これで満足」というわけにはなかなかいかず、半永久的に問題解決に向けて動き続けます。つまり色んな汚れに対して自分達も対応するために、常に進化しなくてはならなく、常に「きれい」を追求する会社、といった理念につながるのです。もしかしたら、同業他社でもすぐに真似できるとは限りません。創業30年以上経ちますが、これこそが他社とは大きく違うところではないかと思います。
【見えないところまで「きれい」にすること】こそが、自社の良さ、特徴だと認識しております。
【目に見えない「汚れをとる」】ことに会社の存在意義をみいだしている、と言っても過言ではありません。

「汚れをとる」こだわりをもって仕事をしていますか?

皆さんは「見えない汚れを(も)とる」ことに、普段からどのくらいこだわって仕事をしていますか?時間に追われてなかなかそれどころじゃないというところが本音かもしれませんが、少し肩の力を抜いて、どんな汚れが潜んでいるのだろうと、第3者的な目線で、自分の現場を見てみてはいかがですか?
例えば、オフィスの床に敷いてある床材に「タイルカーペット」があります。タイルカーペットには、「汚れが目立たない」という利点もあるのですが、逆に「汚れをたくさん溜め込んでしまう」のをご存知ですか。汚れを溜め込んでいるかどうか、見た目にはわからないですよね。でもタイルカーペットの中に入り込んでいる汚れを、専用の大型掃除機でかきとると、その土砂、綿ホコリ、髪の毛、食べ物のこぼれたクズ、飲み物のシミ、ダニなど色んな種類の汚れを見ることができます。
そのタイルカーペットですが、なんと1平米あたりに1キロ弱の土砂が入ることから、カーペットのパイル(糸)は別名ダートポケットと呼ばれております。もし仮に毎日掃除機をかけていたにもかかわらず、「1平米あたり1kgの土砂」は大げさですが、少なからずとも汚れが出てきたら、それはまさに「お掃除はしていた」けれど、「汚れはとっていなかった」ということになり兼ねないです。このように一般的に言えば、タイルカーペットであれば掃除機をかけること、床であれば、モップをかけること、テーブルであれば、ぞうきん拭きをすること、これはまさしく「掃除をする」ということです。
そして、全国には、掃除をする「清掃業者」はたくさんあり、一生懸命「お掃除」をしていることでしょう。ただ少し厳しい言い方になるかもしれませんが、これだけでは「掃除をする」という役務をお客様に提供することは出来ても、「汚れをとる」という本来の目的を完全には達成しているとは言えません。そして真に「タイルカーペットの汚れをとる」ためには、「汚れが何で、どのような状態になっているか」を把握して、「どうすれば、タイルカーペットから引きはがせるか」を考えなくてはいけません。
この考える行為こそが、現場で働く皆さんにも必要だと思います。そして考えて見出したこと、その行動こそが、こだわりにつながることだと思います。皆さんも、普段お掃除し慣れた自分の職場、現場をもう一度見渡してみて、どこにどんな汚れがあるか、そしてこの「汚れをとる」にはどうしたらいいのか、という仕事の原点に戻って、今一度我々の仕事の必要性や目的をハッキリと認識してみましょう。そこから、また色んな発想が生まれてくると思います。
もちろんこれは清掃スタッフに限らず、管理人業務にも同じことが言えます。
例えば管理人業務で言うと、館内巡回は目的ではなく役務です。目的は安全な「クリーン」な環境を維持すること、つまり「不安全」という見えないアクシデントが起きないように、日頃から不安全な要素をとりのぞくことこそが「安全でクリーン」な環境を維持することにつながります。安全で衛生的な環境をつくる目的を達成するために、日々こだわりをもって仕事に臨みましょう。

私たちの仕事とお客様

今私自身が悩んでいることは、この【目に見えないもの】【かたちのないもの】をどのように、お客様に見える形で、伝えるかという部分です。
皆さんもきれいにする仕事を日々繰り返していて、「きれいになったね」とまずは見た目でお客様から評価されます。もしくは、「ここがまだ汚れているから、きれいにして」と要求される場合もあるでしょう。なので、まず見た目にきれいにすることは、もちろんとても大事なことであります。さらに、目に見えない部分も「きれいになったね」とお客様から評価されるためにはどうしたらよいものか、と頭をひねっております。
それと、もう一つ。
100%全てのお客様に100点満点の仕事をしていくことは、普通の人間である自分たちには無理なことは最初から分かっているのですが、それより何より、一番気をつけなくてはいけないのは独りよがりの仕事ぶりにならないようにすることです。いくら「目に見えないところまできれいにします」と言っても、「自分が提供する【きれいにする】行為が、お客様の求めているものに合っているのだろうか」「どのように受け止められているのだろうか」という感受性もとても大切なことであるということを、忘れてはならないのではないかと思います。
日々の仕事に真面目に打ち込めば打ち込むほど、お客様の立場になって考えることがおろそかになる危険性もはらんでいます。
オーケストラの指揮者グスタフ・マーラーという方は、オーケストラの団員に一年に2度は観客席に座りなさいと言っていたという話を聞きました。ある牧師さんは、一年に4、5回は日曜の礼拝を休んで他の教会の礼拝に参加するという話も聞きました(ドラッカー、非営利組織の経営より)。
私自身も、確かに普段は清掃を提供している側ですが、逆に受ける側の経験も必要なのかなと、この話を聞いて思った次第です。その上で、常にお客様の立場で自分たちの仕事の質を高めていくことが重要ではないかと思います。
お客様の二—ズというと簡単ですが、不満や欲求を満足に変えるこのバランス感覚を持っている人こそがスペシャリストであると思います。
お客様、バランス感覚、スペシャリスト・・・この続きは次回の社内報にてお伝えしたいと思います。

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