IBSの理念=『技術と真心』できれいな環境を創ること
昨年のテーマ=『仕事に誇り(プライド)をもって挑もう』
今年のテーマ=『記録より記憶に残る仕事を』
【新型インフルエンザ・O—157・ノロウィルス・はしか等など、
見えない汚れ=感染症にどう対処するか】
オーストラリア(豪州)など南半球では、これから秋から冬へと季節が変わろうとしており、豪州での新型インフルエンザの流行はまさにこれから、と報道されております。
日本でもこの秋から冬にさらに大流行すると予想されておりますので、現状の沈着化に油断することなく、各現場にて今後も何事もないよう準備とよい習慣付けを徹底していただきたいと思います。
≪感染症対策その①:手洗い・うがいの習慣≫
★IBSルール=【2時間ルールの徹底】 を各職場にてお願いします★
2時間ルールとは、手が仮に汚れていなくても2時間経過した時点で自動的に手洗いを実施(習慣と)すること。
(例) 8時(出社時)⇒10時(休憩時)⇒12時(昼食時)・・・18時(帰宅時)
自分で節目の時間をつくり、手洗いを実施して下さい。
≪感染症対策その②:用具の3S(整理・整頓・清潔)の習慣≫
★IBSルール=使用した用具はきれいに洗うこと★
★IBSルール=洗った用具は完全に乾燥させてから用具置き場へ戻すこと★
当然ですが、モップやタオルなど用具は使用後、きれいに洗うこと。
除菌材配合洗剤を用いたり、モップ等はこまめにハイター(次亜塩素酸1%程度)に浸けること。
また洗い終わったあとは、水分を取り除きしっかり乾燥させること。
水気を含んだまま用具置場に格納すると、細菌の増殖を促すことになりかねません。
用具置場は清潔・整理・整頓を心がけ、用具をあまり窮屈に押し込んでしまわないこと。
またこれからの暑い季節は、O−157やノロウィルスなど食中毒に対して要注意しなくてはならない季節です。
O−157って何だろう?ノロウィルス久しぶりに聞く言葉・・・という方のために、その特徴を。
【O-157の特徴】
●名 称・・・ O抗原が157番の大腸菌。ただし一般には、腸管出血性大腸菌(O157:H7)と言う。
●特 徴・・・ 動物の腸管内に生息。牛等の糞便等から検出されており、その肉に付着する可能性が高い。
加熱の不十分な食材から感染し、100個程度という極めて少数の菌で発症し感染症・食中毒をおこす。
そのため感染者の便から容易に二次感染が起こる。
●症 状・・・ この菌はベロ毒素を作り出し、大腸の粘膜内に取り込まれたのち蛋白質の合成を阻害する。
蛋白欠乏状態となった細胞は死滅していくため、感染して2~3日後に血便と激しい腹痛(出血性大腸炎)
を引き起こす。また血液中にもベロ毒素が取り込まれるため、血球や腎臓の尿細管細胞を破壊し、
溶血性尿毒症症候群(急性腎不全・溶血性貧血)急性脳症なども起こることがある。
急性脳症は死因となることがある。感染後1~10日間の潜伏期間。発熱は少ない。
重症では意識障害の場合もある。
●発症事例・・・ 牛肉、牛レバーなど。
●対 策・・・ 発症事例もあり、各食材メーカーは出荷前検診など感染防止対策も採用しているが、野菜類はしっかり洗浄し、
ひき肉等は中心温度を75℃1分以上に加熱すること(1次感染防止)。また実際に感染した場合、
下痢止めを服用すると毒素が排出されない為、重篤もしくは死亡するので要注意である。
【ノロウィルスの特徴】
●特 徴・・・ 非細菌性急性胃腸炎を引き起こすウイルスの一種である。
カキなどの貝類による食中毒の原因になるほか、感染したヒトの糞便や嘔吐物、
あるいはそれらが乾燥したものから出る塵埃を介して経口感染する。
ノロウィルスはヒトに経口感染して、小腸上皮細胞で増殖し伝染性の
消化器感染症(感染性胃腸炎)を起こす。
死に至る重篤な例はまれであるが、特異的な治療法は確立されていない。
2007年5月に報告された厚生労働省食中毒統計による2006年の食中毒報告患者数は、
71%がロウイルス感染症である。ヒトへの感染に於いては血液型で感染率に差があり、
O型は罹患しやすくB型は罹患しにくいことが報告されている。
●症 状・・・ 下痢、嘔吐、吐き気、腹痛、微熱など。少量のウィルスでも発症。
潜伏期間は24~48時間。症状の始まりは突発的に起こることが多く、
夜に床につくと突然腹の底からこみ上げてくるような感触と吐き気を催し、
我慢出来ずに吐いてしまうことが多い。それも一度で終わらず何度も激しい吐き気が起こる。
吐き気が治まった後は急激且つ激しい悪寒が続き、さらに発熱を伴うこともある。
これらの症状は通常、1、2日で治癒し、後遺症が残ることもない。
ただし、免疫力の低下した老人や乳幼児では長引くことがある。
●発症事例・・・ ノロウィルスの原因食材がカキと特定される割合は年々低下しており、
2006年後半にはカキが食材と特定された集団食中毒は発生しなかった。
疫学的な知見からは、カキ以外の食材、サンドウィッチなど調理業者からの二次汚染による。
●対 策・・・ 塩素系殺菌剤・アルコールが効果的である。
食材は中心部まで加熱(85℃1分以上)し野菜などの生鮮野菜はよく洗浄する(1次感染防止)。
我々清掃員は2次感染防止のため、まず手指はしっかり洗浄すること。
また実際の処理に当たっては、次ページ以降の正しい処理方法を清掃作業時には取り入れること。
【ケーススタディ:施設で集団感染が発生した場合・・・施設側対応手順】
O-157など食中毒や集団感染が施設で発生した場合、施設側はどのような対処をしなくてはならないのか
・ノロウィルスに限らず食中毒や集団感染がその建物から発生した場合、その施設管理者は行政=保健所に状況を報告しなくてはならない。
・行政に報告のうえ、原因が究明されるまで、施設の営業は自粛とする。
・その間施設内の徹底的な清掃および消毒により、第2次感染を防止する。
・空気感染などにより保菌者がいる可能性があるため全スタッフも検査し、保菌が認められたら出勤停止。
・最終的な行政処分を待ち、処分・原因に応じて社会的責任を負うと共に再発対応策を打ちだすこと。
【ケーススタディ:ノロウィルスなど発生した場所の処理・・・清掃員の処理方法】
Q) ふん便・嘔吐物を処理する際に注意することは?
ノロウィルスが感染・増殖する部位は小腸と考えられていて、嘔吐症状が強いときには小腸の内容物とともに
ウィルスが逆流して吐物とともに排泄される。ふん便と同様に吐ぶつ中にも大量のウィルスが存在し
感染源となりうるのでその処理には十分注意する必要がある。
12日以上前にノロウィルスに汚染されたカーペットを通じて、感染が起きた事例も知られており、時間が経っても、
汚染された床や手袋などには感染力のあるウィルスが残っている可能性があるので、清掃員が処理する場合は、
下記のような正しい手順に実施すること。
【正しい処理方法】
・ 使い捨てのマスクと手袋を着用し汚物中のウィルスが飛び散らないように、ふん便・嘔吐物をペーパータオル等で
静かに拭き取ります。
・ 拭き取った後は、次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度約200ppm)で浸すように床を拭き取り、その後水拭きをする。
(床がカーペットの場合は、次亜塩素酸が使用できないのでスチームにより高温消毒処理、
もしくはHDQニュートラルなどカーペット素材にダメージを与えない除菌剤配合洗剤により処理する。)
・ 拭き取りに使用したペーパータオル等は、ビニール袋に密閉して廃棄する。
(この際、ビニール袋に廃棄物が充分に浸る量の次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度約1,000ppm)を入れることが望ましい。)
・ ノロウィルスなど菌は乾燥すると容易に空中に漂い、これが口に入って感染することがあるので、
吐ぶつやふん便は乾燥しないうちに、床等に残らないように、速やかに処理し、処理した後はウィルスが屋外に
出て行くよう空気の流れに注意しながら、十分に喚気を行うことが感染防止に重要である。
Q)吐ぶつやふん便が布団などのリネン類に付着した場合はどのように処理をするか?
リネン等は、付着した汚物中のウィルスが飛び散らないように処理した後、洗剤を入れた水の中で静かにもみ洗いすること。(その際にしぶきを吸い込まないよう注意。)
下洗いしたリネン類の消毒は85℃・1 分間以上の熱水洗濯が適している。ただし、熱水洗濯が行える洗濯機がない場合は、
次亜塩素酸ナトリウムの消毒が有効である。その際も十分すすぎ、高温の乾燥機などを使用するとさらに殺菌効果は高まる。
布団などすぐに洗濯できない場合は、よく乾燥させスチームアイロンや布団乾燥機を使うと効果的である。
また下洗い場所は、洗剤を使って掃除をする必要もある。次亜塩素酸ナトリウムには漂白作用があるので、
薬剤の「使用上の注意」を確認すること。
Q)感染者が使用した食器類や利用した場所の消毒はどのようにしたらよいか?
施設の厨房等多人数の食事の調理、配食等をする部署へ感染者の使用した食器類や吐ぶつが付着した食器類を下膳する場合は、可能であれば食器等は厨房に戻す前、
食後すぐに次亜塩酸ナトリウム液に十分浸し消毒すること。
Q)感染者が発生した場合、住環境の消毒はどのようにしたらよいか?
ノロウィルスは感染力が強く、住環境(ドアノブ、蛇口、トイレの便座、日用品など)からもウィルスが検出される。
感染者が発生した場合、感染者が使用した場所は全て消毒する必要がある。次亜塩素酸ナトリウムは金属腐食性があるので、
感染者が利用したトイレや部屋は除菌剤配合洗剤を使って壁・床など立体的に全体をきれにすること。
【はしか(麻疹)】
●特 徴・・・ はしかは、麻しんウィルスによって引き起こされる急性の感染症。毎年春から夏にかけて流行する。
去年1年間で1万1007人の患者が報告された。
●症 状・・・ 初期は風邪の症状と似ている。39度前後の熱と赤いほっしんが体にでるのが特徴。
合併症として、肺炎や中耳炎、ごくまれに脳炎を起こすこともある。
●発症事例・・・ はしかは子供の病気と言われてきたが、10代や20代の若い人の間で、流行するようになった。
去年の患者の内訳を年齢別にみると、15~19歳が最も多く26%、10~14歳も17%で、
10代の感染者が多い。予防接種を受けていたかどうかでは、
予防接種を受けていなかった人が 44.6%、
予防接種を1回受 け ていた人が 26.6%。 (おととし2007年春)
大学や高校の休校が相次いで社会問題になったことをきっかけに政府は2012年までの
5年間で国内からはしかを排除するという計画を打ち出し、対策の柱は若い人たちに2回の予防接種を
徹底することとなった。
免疫を確実につけるため3年前から、1歳と小学校入学前の2回に、
さらに今年度から5年間に限って中学1年と高校3年の年齢で追加の予防接種をすることになった。
【殺菌・滅菌・消毒・除菌などの表記について】
一般に「殺菌」は、滅菌あるいは消毒のことを言い、効能などを表記する際、殺菌と消毒をまとめて殺菌消毒と称するなど、
ほぼ同じ概念として扱われることが多いが、専門的には異なる概念である。
その他、類似する概念として、除菌、抗菌などもあるが、これらも微生物学や医学、食品科学の分野において、
意味が異なる概念である。殺菌は文字通り菌を殺すことである。対象や程度を含まない概念である。
殺す対象や程度を含まないため、極端な話をすれば一割の菌を殺して九割が残っている状態でも「殺菌した」という
ことは可能である。このため、その有効性に対する保証は厳密にはない。
ある食品を滅菌(あるいは消毒)したという場合は、その後の微生物の混入や増殖がない限り、すべての微生物が
存在しない(あるいは食べても発病しない)ことを示すが、「殺菌した」という場合には必ずしもその保証はない。
滅菌は、有害・無害を問わず、対象物に存在しているすべての微生物およびウィルスを死滅させるか除去することである。
確率的な概念からは菌数をゼロにすることはできないので、無菌性保証レベル(SAL)が採用される。
滅菌としての定義にはSAL≦10-6が国際的に採用されている。
同じ概念が日本薬局方においても「最終滅菌法」として採用されている。
これは、滅菌操作後、被滅菌物に微生物の生存する確率が100万分の1以下であることを意味している。
滅菌がこれらの中でもっとも厳重な方法であるが、その用途は限定される。
手洗いなどの際「ヒトの手指を消毒する」ことはできるが、滅菌することはできない。
「ヒトの手指を滅菌する」ことはすなわち手指の細胞ごと全部殺すことだからである。
また、かびの除去などで、俗に言う「かびの根が残っている」から再発するだけではなく、
対象物をたとえ滅菌できても一般的な外気に触れることで、空気中に漂う胞子が着落し発芽するために菌が再び増殖する。
消毒は、対象物に存在している病原性のある微生物を、その対象物を使用しても害のない程度まで減らすことである。
この手段として殺菌が行われることもあるが、殺菌せずに病原性を消失させることにより消毒が達成されることもあるので、殺菌や滅菌とは少し意味合いが異なる。
除菌は、対象物から菌を除いて減らすことである。
手を水で洗うことから、ろ過などにより菌を取り除くなど、様々な程度の範囲がある。
対象や程度を含まない概念である。除菌は学術的な専門用語としてはあまり使われず、より噛み砕いた、
あるいは曖昧な意味で用いられることがある。