IBS通信(タイトルが入ります)

2013年2月号(第156号)

企業理念=技術と真心で『常に進化し「きれい」を追求する会社へ』
2012年からのテーマ=『共存共栄』自らの成長に責任を持つ=進化すること

昨年【壬辰】振り返り

IBSで働く皆さん、お取引先のお客様皆さま、そしてHPをご覧の皆さま、明けましておめでとうございます。本年もIBS一同、力を合わせて実りのある1年にして参りたいと思います。
何卒よろしくお願い致します。

皆さん昨年はどんな1年を過ごしましたか?
人間の記憶、脳の仕組みは、現在から過去を振り返ってもなかなか思い出せないと言われますが、過去へ舞い戻って現在に向かっていくと1つ1つ記憶が蘇るそうです。

ちなみに昨年の干支は【壬辰】(みずのえたつ)でした。
1年前の社内報では、下記のような話をしました。

『【壬】という字は水という意味から、万能で荒々しくも冒険心あふれる生命力をそなえているといいます。
力、勢い、強いエネルギーを表し、津波などの自然の破壊力も意味しますが、社会や政治、経済の変革を推し進める衝動や勢いを意味します。
【壬】という字は織機の中の糸巻き心棒を描いたI型の字が原形で、内側に含む、はらむという意味を持ち、人偏がつくと「任務・責任」など、物事を遂行する重要な人をあらわします。
思いや考えが、責任のある行動をともなって、実現しやすいという意味があり、仕上げの動き、事業仕上げの年、それが【壬】の年であるといわれます・・・』


2012年にはアメリカ、ロシア、台湾、フランス、インド、そして日本で大統領選など選挙がありました。
前政権にとっては、仕上げの年となり、新しい政権に変り、各国まさに進歩と変革、そして勇気ある改革へと人々がエネルギッシュな気持ちでまずは第1歩を推し進めた感じではないでしょうか。

『一方【辰】の字は、樹木の枝に例えると日毎伸びるのが分かるほど、すくすくと自然に生長する時であり、最も元気な時、自然の働きが人間の思考範囲を超える年まわりで、人々が驚き、ふるえる様子を表現したもので、人為が及ばない自然の出来事が起こりやすい年と言え、【辰】は大きな地震や、ビルの倒壊、鉱山での災害、土砂崩れなど土に関する災害の潜在的な危険をはらむといいます・・・』

2012年で土に関する災害で、頭に浮かぶのは、7月九州北部で起きた、豪雨による土砂災害でしょうか。
死亡者数も20名を超えました。

また記憶にも新しい出来事としては、12月に起きた中央道笹子トンネル天井落下事故がありました。
計9名の方がお亡くなりになり、日本の高速道路上での事故としては、1979年に発生した日本坂トンネル火災事故や、2012年4月に発生した関東自動車高速バス居眠り運転事故を死亡者数で上回り、最も死亡者数の多い事故となりました。

今年の干支【癸巳】は

さて、平成25年(2013年)の干支は、六十干支の30番目、【癸巳】(みずのとみ・きし)です。

毎年同じお話しますが、干支(かんし、えと)は、中国の陰陽五行思想に基づいており、十干と十二支を“陰と陰”、“陽と陽”で組み合わせた、60組を一周する周期の暦です。
六十干支(ろくじっかんし)といいます。

【癸】(みずのと/き)は、冬になって草が枯れ、木々の葉が落ちて、見渡す限り遮るものもない冬枯れの景色の中に、それまで隠れて見えなかったものも、春間近、植物の内部にできた種子がはっきりと現れて大きさを測れるまで大きくなった状態、その形を象(かたど)った文字だそうです。

したがって見通しがよくて物を測るのに便利であるから、【癸】の字は「揆(はかる)」という意味があります。
同時に物を測るには基準になるものが必要となるため、基準・法則・筋道、というような意味にも用いられ、癸には大臣・宰相の意味があります。

ゆえに古代中国では、総理大臣のことを癸職と言ったそうです。
また癸が癸でなくなる、つまり不平・不満から暴動が起こることから、その暴動のことを一揆と呼ぶようになったそうです。

癸の本来の意味以上のように、

①将来を計る・物事を計る・揆(はか)る(揆測、揆量)、
②筋道を立てる、
③一揆がおこらないようにする、

の3つと言われております。

古代中国での宰相=揆職(きしょく)は、一揆が起こらないように、筋道、原則、基準を立てなければならない、規則正しく物を萌芽させなくてはならない、万物を閉じ蔵(おさ)めて、下ではらみ、芽ばえさせなくてはならない、を指針に国を治めていたそうです。

また【癸】は十干十番目最後の干支なので、十干が一巡して元に戻ろうとする最後の位置を示していることから、古来より癸は回転させる意味があり、最初の甲(きのえ)に戻る直前の大きな変化が到来する年回りとも言われております。

つまり、平成25年は保守的な面と革新的な面の両方が存在する、でも変化していく、年回りのようです。

10年ひと昔、十干ひと回りで見てみると、
2003年は、米国のイラク侵攻が起きた年であり、国政では小泉政権が政治を劇場化させ、これに便乗したマスコミが政治を玩具にし、大切な政治が何となく軽くなりだした年まわりだった記憶があります。1993年は、長期間、政権を握っていた自民党が分裂して、少数党の集まりが細川内閣を誕生、前世代の綻びが現れた年でありました。
そして、1983年は、田中元首相に実刑判決が下り、1973年は石油危機、1963年はケネディー暗殺と、ショッキングな事象というか、保守と改革その因果応報的な出来事が多いかもしれません。

【巳】(み/し)は、十二支の6番目。
陰陽五行で「火」性の陰に当たります。
季節は初夏・陰暦の4月、方位は南南東。【巳】の刻は午前10時を中心にした9時〜11時です。

【巳】は説文解字に「巳は物(事)必ず起こるなり」とあり、今まで冬眠をしていた蛇が春になって、地表に這い出す形を表しているそうです。
また従来の地中生活・冬眠生活も終って、新しい地上活動をするということで、昔からの因習的なごまかしの生活にけじめをつける、終わりを告げるという意味もあります。

よって【巳】は①表面に出る ②脱皮する 意味があります。

さらに『漢書』律暦志によると【已】は、「い」つまり「止む」という意味があり、草木の成長が極限に達した状態を表しているとされております。

また頭と体ができかけた胎児も表しているものだそうで、このことから「包」の中と同じ意味を持つ漢字といわれております。

古人はなぜ寿命十二年の“支”の六番目に【巳】を置いたのでしょう。
【子】年から【辰】年までの5年を経過して【巳】の年で新しい命の発生としたのは、植物に例えると5年間で樹木の枝葉が繁り花も咲かせ、6年目に「実」を生(な)らし始めるということでしょうか。

十二支六番目の【巳】で「実」をつけだすということは、来年からの後半の6年はこの「実」の生育情況がご時世となるのでしょう。
枝葉が伸び、花が開いた勢いのある今までの前半5年間と、身(実)籠ったこれからの後半の動きは明らかに一変し、全く異なった世界が始まるのでしょう。
古人が十二支の中間点に【巳】を当てたのは、きっと新しい役割を果たす生命体の発生を、世の中の景色が大きく変わる新たな動きを、繰り返される歴史から知ってのことなのでしょう。

12年前の2001年(辛巳・かのとみ)には、米国で9・11テロが起きました。
以降の世界は先進国 新興国 途上国に分類され、連発する紛争の小火(ぼや)が絶えないどころか、昨今のアルジェリア人質事件など紛争国も次第に大きくなりつつあります。
そのさらに12年前にさかのぼる1989年(己巳・つちのとみ)には、東京株式相場が大天井を打った年、つまりバブル絶頂からまさに転げ落ち始めるターニングポイントの年でした。
以降の大暴落で日本経済の成長は下げ止まり続け、大企業の合併も相次ぎ財界地図も様変わりしました。

参考までに同じく【己巳】(つちのと・み)であった1929年にはNY株式相場が大天井を打った年でありました。当時も以降の大暴落で世界は大恐慌となり、第二次世界大戦が誘発された歴史があります。

これらの出来事は偶然かもしれません。
ただ十二支の中間点に位する【巳】の年で、以降の展開が今までとは、全く違ったものになっている事が多いのも近年確かです。
「巳は物(事)必ず起こるなり」と言ったのもうなずくことができます。
まさに御時世は一変している、【巳】は新しい動きの始まりを知らせているのですね。

【癸巳】の平成25年(2013年)は、歴史を踏まえて推察すると、どんな年になるのでしょうか。
日本はじめ各国のトップが変わり、今年は色々な法則・原理を立て直さなくてはない時期で、大臣・宰相のしめる役割(会社では管理職の役割)が重要になってくるのではないでしょうか。

しかし、揆が揆でなくならないよう、また実が生って間もないことも加味すると、やはり国も企業も個々もしっかりと筋道を立てて、将来を見据えた計画、昔からの因習から脱皮した考え方、方向性がキーポイントとなるのでしょう。

十干(10年)十二支(12年)の中の平成25年という短いスパンから、長い六十干(60年)というスパンでみると、【癸巳】は【甲子】から始まりちょうど三十年を経過する中間点30番目にあたります。

前半30年(1984年〜2013年)では、前世代の体質が混在して複雑な社会情勢が中間点まで続きますが、その情勢が世の中を逼迫させ、限界に達する中間点以降の後半(14〜33年)では、その世代の本質が御時世を支配すると言われております。

歴史上、極限に達した後は反動であり、中間点の【癸巳】はその極限から反動といった自然変遷の大きな節目として「干支」では扱っており、この中間点が極めて重要な御時世になっているようです。

具体的に日本近代史をみると、明治維新が起きたご時世(1864〜1923)の中間点は1893年【癸巳】でした。
薩長の権力闘争が一段落し、神国日本の意識が高まり日清戦争突入の前年でした。
以降、軍国主義が膨張し太平洋戦争敗戦に繋がった歴史があります。
終戦で混乱したご時世(1924〜1983)の中間点は1953年【癸巳】でした。
廃墟から起ち上がり、テレビ放映が始まった年でした。
以降、民主主義 資本主義の仕組みで未曾有の繁栄を我々日本人は享受した歴史があります。

そして20世紀〜21世紀に入ったご時世(1984〜2043)の中間点が今年2013年【癸巳】です。
高度成長期の絶頂から転がり落ち始めた中から、我々が見出したものは何でしょう。

我々が生きる現世は、後世の人の目にどのようにうつるのでしょうか。

今のご時世とIBSの目指す道

IBSの設立は、1980年です。
このご時世生き抜いている会社です。

今までの30年が中間点だとすると、これからの30年は、既存から脱皮し、そして進化し続けることがやはり求められているでしょう。

我々日々働いている者は、毎日もがき試行錯誤、七転び八起きの状態ですが、それが成長している証ではないでしょうか。

その30余りの歴史の中でも、何度も脱皮・バージョンアップを繰りかえしています。
このご時世にはこのご時世の新しい実をつけ、また成長しましょう。

その新しい実は、それこそまだぼんやりと頭と体がはっきりとしないベールに包まれた形かもしれませんが、過去の共存共栄3か年計画、はたまた枝葉や花開いた5年間、そして長いスパンの30年という歴史と実績から、これからの3年、5年、10年、12年、そしてこれからの30年も地域社会に貢献できる企業として、何かしら形にしていけるよう自らその実が花咲くまで育てていきましょう。

過去から学び、未来へ向かって、今のご時世やるべきことをやり、成長をやまない。
間違った方向へ行かない、そのために古人の知恵【干支】も、未来への羅針盤の1つにとなればと思います。

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