IBS通信(タイトルが入ります)

2011年12月(第142号)

IBSの取組み…意識改革「ものごとの見方、考え方を21世紀型に変える」(最終回)

前回、前々回の社内報では、少子高齢化社会に向けてどのような社会になりつつあり、20世紀には常識だったことも、21世紀になった今、その常識が通用しない場合もあることを伝えました。例えば、消費型社会だった日本も、今や循環型社会へ変わり、公害問題とは今誰も呼ばず、環境問題へと発展し、情報も隠蔽する時代から開示する時代へと、これが世の中の変化であり、流れに乗る、もしくは流れを見極めることが大切だという話をしました。その中で日本の持っている良さを再発掘し、最終回の今月号では、いよいよ自分達の良さは?という話をしたいと思います。
◆今年のテーマからの気づき(築き)
今年の漢字に選ばれた「絆」からは、もしかしたら程遠いかもしれない「競存競栄」という言葉。しかしこの言葉を意識しないで過ごした日がないほど、今年は日々【お掃除ビジネス】の場で戦ってきたのではないでしょうか。現場も日々戦場、皆さんもある意味、毎日職場で色んな物事と格闘してきたのではないでしょうか。
皆さんにとっては、この「競存競栄」というテーマから何か得たものはありましたでしょうか?
もしくは何かヒントになったもの、来年につなげられそうなもの、発見できましたでしょうか?
この「競存競栄」つまり競った先にある存在、競い在った先ある繁栄とは、一体どういうことなのでしょう?
確かにビジネスの社会は勝つか負けるか、と言われます。結果がすべて、というシビヤな世界かもしれません。
私たちの仕事の清掃、ビルメンテナンスでいうと、「きれいにしているか、していないか」「きれいにできるか、できないか」が1つの結果です。「きれい」にできない会社には当然仕事は回ってきません。これはプロとして当たり前の話です。ではきれいにできる会社が集まる、お掃除ビジネスのなかで勝ち残っていくためには、どうしたらよいのでしょうか? 他社より安く…という価格競争の消耗戦に勝つことも必要なことかもしれませんが、そればかりだと、大企業ならともかく、弊社のような中小零細企業は、どこかで持ちこたえられなくなるでしょう。そうした事態に陥らないようにすることが、競いながらも、存在し栄えていくこと、でありいうのが、皆さんに気付いて欲しいこととして、今年はテーマを貫き通しました。
◆ウサギとカメ
話は変わりますが、イソップ物語【ウサギとカメ】の話をご存知ですか?山の頂上を目指して、ウサギとカメが競争し、カメが勝つ話です。では何故ウサギは負けたのでしょうか?本当の理由をご存知ですか?ウサギは山頂を目指すゴールを見失い、カメとの競争ばかりに目が行ってしまったから負けたのです。逆にカメは競う相手が足の速いウサギでも、山頂を目指すというゴールを見失わなかったので勝利を手にしました。つまり競うといっても周りばかりを意識するのではなく、目指すゴールを見失わずに向かっていく姿勢が必要でしょう。

競存競栄から得たもの①・・・「自分らしさ」

◆つよみとは・・・
では価格競争だけの出口の見えない競争だけに陥らず、真の目標に向かうにはどうしたらよいか?【ナンバーワンvsオンリーワン】の話を通じてお伝えしたいと思います。
日本一高い山は?と聞かれて、富士山(3776m)と答えられない人はいないくらい有名な名実共に1番の山です。では、日本で二番目に高い山はどこかご存知ですか? 答えは、南アルプス(山梨県南アルプス市)にある北岳(3193m)です。富士山が日本一高い山であることはだれでも知っていますが、北岳が日本で二番目に高い山であることは、あまり知られていません。ナンバーワンとナンバーツーでは、これほど大きな差が開くのです。富士山は企業で例えるなら、誰にも負けない、他社には越えられない【ナンバーワン】であり、それが自社の【つよみ】となっているはずです。
こうしたことから、どんな分野でも1位になることが大切だということがよく言われてきました。営業戦略でいう、いわゆる「ナンバーワン戦略」「ダントツ戦略」というもので、中小零細企業の場合でも、どんなに小さくてもダントツになれるニッチな分野を探すことが大切だと、言われてきました。いわゆる自社のどこにも負けない【つよみ】という部分です。ただニッチな分野で、ダントツになったとしても、相手がそのニッチな分野に詳しくなければ、何がすごいのか理解されません。先ほどの例でいうと、山の高さが1番であるというのは、評価されやすいですが、1㎡あたりの鉱山の含有率が一番高い山は?と聞かれても、地質に詳しい人以外には何がすごいのかよくわからないでしょう。世間一般的に、一番になることで評価されるには、よほどメジャーな分野で一番トップにならなくてはなりません。【ナンバーワン】という【つよみ】で差別化できるのは、実はごく少数の大企業だけではないでしょうか。昨今大企業が生き残りを賭けて、統廃合や吸収合併を積極的に行っているのも、ナンバーワンというトップの座を確保するためなのでしょうか。
IBSの【つよみ】は何でしょう? まだまだニッチではありますが、実は従業員数が100名以上の1事業所としては、川崎市内では富士通、東芝等大企業に続く従業員数であり(現在は事業所数を川崎・船橋・松戸に分割)、ワックス消費量が神奈川県で1番多い会社、つまりワックス塗布面積1位かつ施工実績1位ということであり、神奈川県の施工会社の中で、1番スタッフ数が在籍している会社であり、神奈川県で1番多く自社サービスラインアップ(日常清掃から、各種コーティング、ガラス施工、カーペットクリーニング、害虫駆除、エアコンクリーニングなど)が揃っている会社であります。
◆らしさとは・・・
【つよみ】に対して【らしさ】とはどういうことでしょうか?【つよみ】と【らしさ】の違いは何でしょうか?
【らしさ】と聞いて思い浮かぶのは、味わいや個性といった感覚的なものなので、必ずしも数字であらわせない記録より記憶であったり、効率より効果であったり、実際その分野に詳しくない人でも、なんとなく実感、親しみを感じるものではないでしょうか。
再度山の話を例えでしますと、「年間登山者数」で日本一の山はどこかご存知ですか?
実は高尾山なのです。しかも世界一の登山者数です。なぜ1000mに満たない599mしかない高尾山が日本一多くの人に親しまれているのでしょうか? 都心から西へ約50km、新宿から京王線特急で最速47分という、首都圏からのアクセスの良さに恵まれ、アクセスだけではなく自然研究路というハイキングコースもテーマ別にいくつかに分かれていて、体力に自信のある方には、山頂から続く山道を尾根つたいに歩き、城山、景信山、陣馬山まで足をのばす3つの登山ルートがあり(体力不足の人や障害を持っていて山に登りたくても登れない人にはケーブルカーとリフトがあり、わずか5分で高尾山駅に到着)、いずれの道も1時間30分程で山頂に達することができ、登山初心者でも安心して日帰りで山頂へ登れる山であるからでしょう。
また、高尾山には冷温帯から暖温帯の木々からなる美しい林が広がっていて、紅葉の時期も絶景が楽しめるなど四季折々の景色を楽しめる自然環境面での素晴らしさがあり、駅前には、そば、まんじゅう、せんべい、そばおやき、山菜、お土産など多くのお土産屋さんやお食事処が軒を連ねて周辺サービスも充実しており、高尾山【らしさ】がより多くの人にアピールされて親しまれていから日本一なのでしょう。高尾山は今でこそ登山者数が日本一と【つよみ】になっているかもしれませんが、昭和42年に国の明治百周年記念事業として「明治の森高尾国定公園」に指定された当初は知名度もなかったはずであり、高尾山にしかない個性や特徴など【らしさ】を探求しコツコツ積み上げてきた結果、今があるのではないでしょうか?つまり【らしさ】とはナンバーワンではなく他にはない【オンリーワン】であり、【つよみ】との違いは、【つよみ】は競い合い一番で在り続けるものである一方、【らしさ】とは競わなくとも一番を目指すもの、もしくは一番で在り続けるものではないでしょうか。余談ですが、高尾山は何と2008年に「ミシュラン・ボワイヤジェ・プラティック・ジャポン」というフランス語で書かれた日本旅行ガイドにおいて、観光地として三ツ星をとったのです。高尾山が、富士山、松島、日光、京都、奈良といった日本を代表する有名観光地になったといっても過言ではありません。IBSの各現場においても、会社全体にとっても、ヒントになる話ではないでしょうか。このように小さい組織が勝ち残るためには、【らしさ】が必要不可欠です。また初対面の人や不特定多数の人にアピールする場合にも【つよみ】より【らしさ】のほうがより印象的だと思います。皆さんの職場の【らしさ】は何ですか?IBSという会社の【らしさ】は何でしょう。誰もが【らしさ】を誇れる会社を来年こそ目指しましょう。

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